Googleがとんでもない技術を発表しました。その名も 「TurboQuant(ターボクアント)」。
AIのメモリ使用量を最大6分の1に圧縮し、速度を8倍にすると説明されています。
これを受けて本日、サムスンやSKハイニックスなどのメモリ株が売られていますね。
少しだけ裏読みしてみようかな?
ジェボンズのパラドックス
目先のメモリ使用量が減る = 需要が減るという読みは、少し短絡的すぎるかなと思います。経済学には ジェボンズのパラドックスという言葉があります。
効率が上がって資源が安く使えるようになると、消費は減るどころか、かえって爆発的に増える。
かつて蒸気機関の効率が上がったときは石炭の消費は減るどころか、世界中の工場や鉄道で使われるようになり激増したんです!これは AIも同じではないでしょうか?メモリが効率化され安くサクサク動くようになれば、これまでコストを理由に諦めていたあらゆるデバイスにAIが搭載されるかもしれませんね?
「1台あたりの量は減っても、使う台数が100倍、1000倍になる」
そうなれば今の市場はさらに大きくなる可能性がある。そう思っている方は少なくないのでは?
このニュースを受けてサムスンだけでなく、キオクシアなどの国内関連株まで連れ安しているのを見て(キオクシアは一時6%近く、終値は‐5.7%の下落でした。)これは市場の過剰反応か、あるいは本質的な変化かの瀬戸際にいるのかもしれないと感じました。
冷徹な目で見ることも大切です
ここまでは美しいシナリオです。でもそんなきれいに進むのでしょうか?
あえて厳しい目線でも見ておく必要があります。
今回のことで無視できないのは、「効率化」が「価格破壊」を招くリスクです。 もしメモリが空気や水のように安くて当たり前のものになったとき、今のメモリメーカーの史上最高益という前提は維持できるのでしょうか?
需要が10倍になっても、単価が20分の1になれば、利益は半分。 ソフトウェアの知恵がハードウェアの希少価値を奪い始めているという事実は、今日の値下がりの主な要因ではないでしょうか?
TurboQuantショックの本質は?
メモリ効率が6分の1になれば、AIを載せられなかったデバイスが一気に参入してくる可能性があります
家電・車載・ロボット・工場設備・医療機器
AIの民営化の加速により、スマホから次のプラットフォームへ広がっていく。
これは メモリ需要の総量を押し上げる方向 に働いていくとおもいませんか?
HBMは“安泰”ではなく“戦略資産”になる
- AIモデルは軽量化しても、帯域幅・レイテンシはむしろ重要性が増していきやすいです
- GPUメーカー(NVIDIAなど)はHBM供給を確保するために囲い込みを強化されるかも?
- 供給不足が続くため、価格下落が起きにくいです
- 技術難易度が高く、後発が追いつけない可能性が高い。
HBMは 効率化の波に飲まれないどころか、逆に価値が上がる側に位置しています。
替えが利かない資産になってくるかもしれません
NANDは構造的デフレ産業になりつつある
- 供給過多になりやすい
- 需要が増えても単価が下がりやすい
- 技術差がつきにくく、差別化が困難になり、価格で差別化が顕著になる可能性が・・
- TurboQuantのような効率化技術の影響を最も受けると思います
つまり、NANDは 「需要が増えても利益が増えない」という
構造的弱点を抱えているように見えます
メモリ市場の「残酷な選別」:HBM vs NAND
| 特徴 | HBM(高帯域幅メモリ) | NAND(フラッシュメモリ) |
| 立ち位置 | 「戦略資産」(替えが利かない) | 「構造的デフレ産業」(コモディティ) |
| 効率化の影響 | AIモデル軽量化でも重要性が増す | ソフトウェア最適化で需要を削られる |
| 参入障壁 | 極めて高い(3社の寡占) | 比較的に低く、供給過剰になりやすい |
| 価格支配力 | 強固(NVIDIA等の囲い込み) | 弱く、需要増でも単価が下がりやすい |
| 結論 | 効率化の波を飲み込んで価値が上がる | 需要が増えても利益が増えない罠 |
結論を急がない
今回のTurboQuantは、短期的には市場に大きな迷いを生ませるのではないでしょうか?私は大いに悩んでいますし!
しかしこれはメモリの終わりではなく、次のステージへの移行期です。 短期的には荒れる可能性もなくはないです。しかし長期的にはAIインフラは不可欠です。
今はこれがどのように作用するのか、静かに市場を観察しようと思っています。 劇的な変化が起きているのは間違いありませんが、それが市場の終わりなのか、さらなる爆発の始まりなのかと。
| 見方 | シナリオ |
|---|---|
| 短絡的な見方 | 効率UP → メモリ使用量減 → 需要減 → 株価下落 |
| ジェボンズ的見方 | 効率UP → AI搭載デバイス爆増 → 需要爆発 |
| 冷徹な現実 | 需要増でも単価下落で利益が伸びない可能性 |
| 長期視点 | AIインフラは不可欠。メモリは“形を変えて”生き残る |
この見極めにはもう少し時間が必要だと思います。どう動くのか様子を見つつ、可能なら少し仕込む等のアプローチができたら面白いかな?と思っています。
しかしアプローチするにしても「全部買う」ではなく「勝ち残る領域を選ぶ」ここがポイントですよ!
参照ソース
※皆さんの資産状況やリスク許容度はそれぞれ異なります。紹介したデータや戦略は一つの強力な指標として参考にしつつ、最終的な投資の判断は、ご自身の責任と許容範囲内で、納得のいく形で行ってくださいね。
この記事に対して私に対しての質問や疑問、こういうものがあるよ!等の意見がありましたら是非コメントをおまちしております!


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