収益源を分離するポートフォリオ設計の構想になります
1. 資産額という数字に束縛される投資からの脱却
投資を始めて間もないとき、資産がいくら増えたのか?減ってしまったのか?というその時々の数字に一喜一憂していると思います。ある程度資産が積み上がってくると一つの恐怖が頭をよぎるようになります。
「この資産を切り崩し始めた時、暴落が来たらどうするのか?どうなってしまうのか?」
資産額という画面上の数字だけを見ている限り、この不安は一生付きまとうと思います。なぜなら、時価は市場の機嫌、お国の機嫌一つで30%も50%も平気で上下するからです。
この不安に対する回答はただ一つ。
資産を売らなくても、現金が勝手に流れ込んでくる仕組み(キャッシュフロー)を作ることだと思います。
今回は、その中核を担う、担ってくれるであろう「JEPQ」と「SCHD」の併用戦略について、なぜこの組み合わせが「最強のサブエンジン」になり得るのか、なぜこの二つの併用を選んだのか、その深層を解説していきたいと思います。
2. 収益の出どころを設計する:市場インカム vs 企業インカム
高配当投資において、最大のリスクは価格変動?暴落?・・・真のリスクは収益が止まることなのではないでしょうか?
利回りの高い銘柄をただ並べるだけで満足してしまう人は多いと思います。しかし同じような性質の銘柄(例えば景気敏感株ばかり)を集めていては、不況が来た時に全ての配当が同時に止まってしまいます。これでは配当を得る仕組みとは呼べないと思います。
そこで重要になるのが収益の発生源を分ける設計です。
【市場の風を掴む:JEPQ】
JPMorgan Chaseが運用するJEPQ(Nasdaq-100 Equity Premium Income ETF)は、非常にユニークな収益構造を持っています。
ナスダック100指数の成長性を背景にしつつ、その収益の柱は「カバードコール戦略」から得られるオプションプレミアムです。
これは、市場が大きく動く(ボラティリティが上がる)ことで、胴元としての利益を得る仕組みです。たとえ株価が横ばいであっても、市場が動いてさえいれば現金を生み出してくれます。
いわば、市場インカム(市場の動きから収益を得るエンジン)ではないでしょうか。
【企業の熱を感じる:SCHD】
対するチャールズ・シュワブ社が運用するSCHDは(Schwab US Dividend Equity ETF)は、米国の優良高配当株を物理的に保有する王道のETFです。
収益の柱は、企業のビジネスモデルから生まれる純粋な利益の分配です。
いわば、企業インカム(実体経済の稼ぐ力から収益を得るエンジン)ではないでしょうか。
JEPQ=市場インカム、SCHD=企業インカム。この役割の違いがこの戦略の最重要部分となります。
役割の違いまとめ
【JPMorgan Chaseが運用するJEPQ】
・ナスダック系株式に投資
・カバードコール戦略を活用
・主な収益源はオプションプレミアム
⸻
【チャールズ・シュワブ社が運用するSCHD】
・高配当株中心
・企業の配当が柱
・実体経済に依存
3. なぜ併用でなければならないのか:負けづらい構造の秘密
片方だけで十分ではないか?という意見もあると思います。しかし、単体運用には必ず死角、隙が存在すると私は思います
• JEPQ単体の場合
市場が極めて穏やかで、値動きが全くない低ボラティリティ相場では、オプションプレミアムが激減し、分配金が少なくなります。
• SCHD単体の場合
深刻な不況(リセッション)で企業業績が悪化すれば、減配のリスクに晒されます。
この二つを併用すると、相互補完が生まれます。
1. グロース株の下落時
ハイテク中心のJEPQは苦戦しますが、バリュー寄り・クオリティ重視のSCHDが下支えをしてくれます。
2. 低ボラティリティ相場
JEPQの収益は落ちますが、安定した実体経済の配当を出すSCHDが支えになります。
3. 景気後退(恐怖指数上昇)時
SCHDに減配の懸念が出ますが、恐怖指数が上がることでJEPQのオプションプレミアムは跳ね上がります。
上記の3つを考えると、一方が弱る時、もう一方がそれを補うこのような構造が出来上がります。それによりキャッシュフローが同時に停止するリスクを極限まで抑え込むことができるのです。
4. シミュレーション:1,000万円がもたらす「人生の選択肢」
具体的な数字で考えてみましょう。私が推奨する「JEPQ 80%:SCHD 20%」の比率で、1,000万円を運用してみた場合はこうなります
• JEPQ(800万円): 利回り7%(保守的見積もり) ➡ 年間56万円
• SCHD(200万円): 利回り6%(保守的見積もり) ➡ 年間12万円
• 合計:年間 約68万円 ➡ 月換算 約5.6万円
この月5.6万円。これをお小遣いと見るか、最強の再投資資金と見るかで、資産形成の速度は劇的に変わってきます。
働いて得た給料だけでなく、この第2の給料を使って、さらに三菱HCキャピタル、マリオットなどの守りの株を買い増す。あるいは、S&P500、オールカントリー等のインデックスに投入して複利のブースターにする。この資金エンジンが回っている安心感こそが、暴落時にパニック売りを防ぐ最大の精神安定剤になりえると私は思います
5. なぜ「JEPQ:80%」なのか:成長という果実を捨てないために
「SCHDの方が安定しているなら、比率をもっと上げるべきでは?」という疑問も出るでしょう。
高配当株(SCHD)は安定していますが、成長力が弱いという弱点があります。比率を上げすぎると、資産の総額が止まってしまい、将来のインフレに対応できなくなる恐れがあります。
一方、JEPQはナスダック100の恩恵を内包しています。インカムを取りながら、時価の成長も一部享受する。この欲張りなバランスを実現するのが、JEPQをメインに据えた80:20という考えなのです。
6. 金利・景気別の挙動:全てへのアプローチ
投資家を悩ませる金利や景気の波。これらに対しても、この併用戦略は強みを発揮します。
• 金利上昇局面:
高配当株(SCHD)には逆風ですが、JEPQはナスダック企業の強固な財務体質とオプション収益で影響を限定的に抑えます。
• 景気後退局面
前述の通り、ボラティリティの上昇がJEPQの味方をします。
• 低ボラ・低金利
JEPQは大人しくなりますが、SCHDの安定した配当がポートフォリオを作ってくれます。
これから先の景気が読めなくとも、必ずどこかのエンジンが回り続けている。この仕組みこそが長期保有を可能にしてくれるのです。
7. 注意点:この仕組みの「正しい置き場所」
最後に、最も重要なことをお伝えします。
このJEPQ×SCHD戦略は、あくまでもポートフォリオのサブエンジンになります。
よくある失敗は、これらを「コア(核)」にしてしまうことです。私たちの本隊はあくまでも、S&P500やVTI、オールカントリーといった「世界経済の成長」を捉えるインデックス資産であるべきです。
1. 高配当=安全という考えを捨てること
2. 分配金を使い切らず、再投資に使用すること
3. 全体の20%〜30%程度に留めること
このルールを守ることが、この仕組み資産形成を成功させる重要なところだと私は思います。
8.ポートフォリオ実例
現在の年齢や考え方等でいろいろとポートフォリオは変わってくると思います
資産を増やすほうに注力をしたい、インカムを増やしたい等あると思いますので
3つほどポートフォリオの実例をあげさせていただきます
① 成長+インカム移行型
成長資産 50%
JEPQ 40%
SCHD 10%
まだ増やす段階向け。
⸻
② 移行期バランス型
成長資産 40%
JEPQ 48%
SCHD 12%
キャッシュフローを増やしつつ、
成長も残す。
⸻
③ インカム強化型
成長資産 30%
JEPQ 56%
SCHD 14%
収益装置化。
9.最後に
これはただの考え方の一つにすぎません。
資産形成をするのはあくまであなたです。自分が一番良いと思うポートフォリオを組む過程で私の記事が参考になれば幸いです
※皆さんの資産状況やリスク許容度はそれぞれ異なります。紹介したデータや戦略は一つの強力な指標として参考にしつつ、最終的な投資の判断は、ご自身の責任と許容範囲内で、納得のいく形で行ってくださいね。
この記事に対して私に対しての質問や疑問、こういうものがあるよ!等の意見がありましたら是非コメントをおまちしております!


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