2026年6月8日から12日の株式市場は、前週末の急落から大きく切り返す一週間となりました。
| 日本・世界指数 | 6月12日終値 |
|---|---|
| 日経平均 | 66,020 |
| 日経時間外 | 67,274 |
| TOPIX | 3,882 |
| グロース250 | 724 |
| ダウ | 51,202 |
| S&P500 | 7,431 |
| NASDAQ | 25,889 |
| NASDAQ100 | 29,636 |
| SOX | 13,371 |
| VIX | 17.67 |
週末のポイント:日本株は半導体株を中心に大幅反発。米国では中小型株と半導体株が強く、VIXは低下しました。一方、日米の長期金利は高止まりしています
最大の材料は、米国とイランの協議進展に対する期待です。ホルムズ海峡の再開やイラン産原油の供給回復が意識され、週末のブレント原油は前日比3.4%安の1バレル87.33ドルまで下落しました。
原油高によるインフレ再加速と景気悪化への懸念が後退したことで、日米を中心に株式市場へ買い戻しが入りました。ただし、最終合意には至っておらず、地政学ニュースによる相場変動には引き続き注意が必要ですね。
日本株は大幅高
6月12日の日経平均株価は、前日比1,802.77円高の66,020.04円で取引を終了。上昇率は2.81%となりました。
TOPIXも51.61ポイント高の3,881.96、JPX日経インデックス400は468.69ポイント高の35,115.19でした。
米国株の反発、原油価格の下落、半導体株への買い戻しが日本株を押し上げました。日経平均先物も夜間取引で6万7,000円台まで上昇しており、週明けの東京市場も高値圏から始まる可能性が高いですね。
今回の日本株の反発は強いです。全面的な安心感というより、原油安・米株反発・半導体買い戻しが重なった、条件付きの反発なのかなと私は思っています。
米国株もそろって上昇
12日の米国市場では主要3指数が上昇しました。
- NYダウ:51,202.26ドル(前日比353.51ドル高)
- S&P500:7,431.46(37.16ポイント高)
- ナスダック総合:25,888.84(79.18ポイント高)
- NASDAQ100:29,635.95(189.77ポイント高)
- ラッセル2000:2,943.99(22.96ポイント高)
週間でも主要指数は上昇し、特に中小型株のラッセル2000は週間で3.9%高となりました。大型テクノロジー株だけでなく、相場上昇の裾野が広がったことは明るい材料です。
また、半導体指数SOXは12日に1.52%上昇しました。ただし、アップルやアマゾン、メタ、マイクロンなどは下落しており、AI・ハイテク株の中でも銘柄選別が進んでいます。
この高金利化の中でもラッセル2000が上昇しています。このまま中小型株が買われるのなら相場のリスク許容度はかなり強いと思います。
来週はそのあたりを注目してみていくと良さそうですね
株高でも金利上昇には注意
投資家心理を示すVIX指数は9.06%低下して17.67となり、市場の警戒感は和らぎました。
その一方で、米国10年債利回りは4.483%、30年債利回りは4.971%まで上昇しています。株価が上昇しても、金利がさらに上がれば、割高感の強い成長株には逆風となります。
日本でも10年国債利回りが2.615%、30年債利回りが3.792%と高い水準です。国内金利の上昇は銀行株に追い風となる反面、不動産や高PER銘柄には重荷となることもあります。
個別株を見るうえで、この金利はすごく重要な部分になってきます。特に注意したいのは、REIT・不動産、高PERグロース、中小型株、住宅関連です。
借入コストや金利上昇の影響を特に受けやすく、上値が重くなりやすいテーマとなっています。
来週の注目点
来週は中央銀行イベントが集中します。
日銀は6月15日・16日に金融政策決定会合を開催します。さらに米連邦準備制度理事会(FRB)は6月16日・17日にFOMCを開き、経済・金利見通しを公表する予定です。
注目点は次の4つです。
- 日銀が追加利上げや国債買い入れについて踏み込むか
- FRBが利下げではなく利上げリスクをどこまで意識するか
- 米国とイランの協議が正式合意へ進むか
- 原油価格と米国長期金利が再び上昇しないか
今週の監視銘柄3選
「チャート → 業績 → テーマ」の順で選別してみました
以下の3銘柄を個人的な監視対象としています。
| 順位 | 銘柄 | 選定理由 | 監視方針 |
|---|---|---|---|
| 1 | 日立製作所(6501) | 安定した増益とAI・電力インフラ需要 | 押し目優先 |
| 2 | 三菱UFJ FG(8306) | 最高益更新と国内金利上昇 | 高値突破を監視 |
| 3 | 三菱重工業(7011) | 受注残と二桁利益成長 | 調整後の反発待ち |
日立製作所(6501)
チャート
移動平均線に沿った安定的な上昇が期待できる銘柄です。25日線付近まで調整し、反発を確認できる場面を監視します。
業績
2026年3月期の調整後EBITAは前年比21%増の1兆3,114億円。今期も1兆4,200億円と8%増を計画しています。
売上、利益、利益率がそろって伸びており、自社株買いも上限5,000億円を予定しています。
テーマ
- AI・DX
- データセンター
- 電力網・送電設備
- 鉄道インフラ
- 自社株買い
判定:安定成長の本命
三菱UFJ FG(8306)
チャート
国内金利上昇を背景に、相対的な強さを維持しやすい銘柄です。直近高値を終値で突破し、出来高が増加する場面を監視します。
業績
2026年3月期の純利益は前年比31.8%増の2兆4,272億円で過去最高を更新。今期は2兆7,000億円と11%増を目指しています。
ROE目標は12%程度です。
テーマ
- 日銀の金融政策正常化
- 国内金利上昇
- 貸出金利ざや改善
- 株主還元
- 円安・海外収益
判定:金利上昇局面の本命
三菱重工業(7011)
チャート
上昇力が強い一方、値動きも大きいため、急騰局面での追いかけは避けます。5日線または25日線まで調整した後の反転を監視します。
業績
今期は売上収益5兆4,000億円、事業利益5,400億円、純利益3,800億円を計画。事業利益は約25%、純利益は約14%の増加を見込みます。
テーマ
- 防衛費拡大
- 航空・宇宙
- ガスタービン・電力需要
- 原子力
- データセンター向け電源
判定:高成長だが押し目限定
最終順位
- 日立製作所:業績の安定性とテーマの広さ
- 三菱UFJ FG:金利上昇との連動性
- 三菱重工業:利益成長率とテーマ性
基本戦略は、日立と三菱重工を押し目反発型、三菱UFJを高値突破型として監視する形です。
※2026年6月12日時点の情報に基づく監視候補であり、投資を推奨するものではありません。
まとめ
今週は、地政学リスクの後退と原油安をきっかけに、日米ともに大きく買い戻される一週間となりました。日経平均は6万6,000円台、S&P500は7,400台を回復しており、数字だけ見ればかなり強い相場です。
ただ、私はここで「もう安心」とは見ていません。今回の上昇は、米国とイランの協議進展という期待をかなり織り込んでいます。原油安は確かに追い風ですが、まだ最終合意ではありません。期待で上がった相場は、前提が崩れると戻りも速いです。
もう一つ気になるのが金利です。株価は強いのに、米国も日本も長期金利は高いままです。これはかなり重要だと思っています。株だけを見れば強気になりやすいですが、金利まで見ると、何でも買っていい相場ではありません。
来週は日銀会合とFOMCがあります。私は日経平均やS&P500の数字だけを見て判断するより、原油、金利、為替の3つを確認しながら見ていきたいです。
今の相場は弱くありません。むしろ基調は強いです。ただし、雑に強い相場ではありません。金利上昇に強い銘柄と弱い銘柄、買いが続くテーマと戻り売りに押されるテーマが分かれやすい局面だと思います。
来週は「上がった、下がった」だけでなく、どこに資金が残っているのかを見たいです。指数が強くても、中身が弱ければ続きません。逆に、金利が高い中でも買われ続ける銘柄があるなら、そこには本物の資金が入っている可能性があります。
強い相場ではありますが、油断して飛びつくより、資金の残り方を確認する一週間にしたいと思います。

※市場価格は2026年6月12日の終値または週末時点。本文は情報提供を目的とするもので、投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
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