先週の相場、あとから見返すと「半導体が弱かった週」で片づけるのは少し違う気がするかな?
火曜は、前週に売られた半導体株へ買い戻しが入って、日経平均は一気に反発。
でも金曜になると、AI投資の回収不安、金利、原油高が重なって、また半導体株に売りが集中したね。
ただ、ディスコや信越化学の決算を見る限り、実需まで崩れたわけではなく
先週は「AIが終わった」のではなく、投資家が急に「この期待、今の株価にもう入りすぎてない?」と考え始めた週だったんだと思う。
まずは数字と流れを、ざっくり一枚にまとめてみました。

先週の相場は、数字だけ見ると少しややこしい一週間でした。
日経平均は前週末比ではプラスで終えています。
でも、海の日明けの火曜に半導体株の買い戻しで一気に上がったあと、金曜には大きく崩れました。
火曜終値から金曜終値までで見ると、日経平均は-2.45%。グロース250も-2.55%。NASDAQも週初から-2.09%です。
一方で、TOPIXは-0.09%にとどまりました。
ここが先週のいちばん大事なところだと思います。
半導体や高PERグロースは売られた。
でも、日本株全体からお金が消えたわけではない。
銀行、防衛、内需、薬品みたいなところには資金が残った。
相場が全面崩壊したというより、みんなが同じ場所に乗りすぎていた分を、少しずつほどいた週でした。
火曜の買い戻しは、本気の上昇だったのか
火曜の日経平均は+3.26%とかなり強かったです。
前週に大きく売られた半導体株へ買い戻しが入り、「さすがに売りすぎだったでしょ」という空気が一気に広がりました。
こういう日は、下がった理由を深く考えるより、「このまま戻したら置いていかれるかも」が先に来ます。
投資家心理としては、たぶんこんな感じです。
ここで買わなかったら、またAI相場に乗れないかもしれない。
実際、半導体株は戻りました。
ただ、水曜以降は日経平均よりTOPIXが強く、相場の中身は少し変わっていました。
半導体だけをみんなで買い上げる相場というより、値動きが荒いところから少し離れて、他の業種にも資金を逃がす動きが混ざり始めていたんだと思います。
半導体需要まで崩れたわけではない
ここは勘違いしやすいところです。
先週売られたのは、半導体の需要そのものではありません。
ディスコは4-6月期の営業利益が前年同期比42.2%増。信越化学も電子材料事業の営業利益が23%増でした。
ディスコも信越化学も、AIやデータセンター向けの需要がまだ続いていることを、数字で出しています。 ディスコ決算 / 信越化学決算
だから、「AIはもうダメ」「半導体のピークアウト」まで話を飛ばすのは早いと思う。
ただ、需要が強いことと、その株を今の値段で買っていいことは別なんだよね。
ここが先週、急に厳しく見られ始めた部分でした。
市場が嫌がったのは、AI投資の回収時期
Alphabetの決算は、本業が弱かったから売られたわけではありません。
クラウドも広告も強い。
でもAI向けの設備投資をさらに増やす姿勢が見えたことで、市場は急にこう考え始めました。
AIの需要があるのは分かった。
でも、その巨額投資はいつ利益として返ってくるの?
Teslaの決算も重なって、AI・大型グロース全体の雰囲気が悪くなりました。
AIを使う企業は投資を増やす。
AIを支える半導体企業には需要が来る。
この流れ自体は変わっていません。
でも、AIを使う側がキャッシュフローを削ってまで投資を続けるなら、その負担を市場はずっと無視できない。
先週は、AIの成長ストーリーが壊れた週ではなく、成長ストーリーの値段が高すぎないかを考え始めた週だったと思います。 Tesla IR / 米国市場の詳細
火曜と金曜で、投資家心理が変わった
火曜は「買い遅れたくない」。
金曜は「その期待、もう株価に入ってない?」
数日しかたっていないのに、心理はかなり変わりました。
SOX指数は週全体ではプラスを残したものの、金曜だけで-4.25%。
これは需要悪化を織り込んだというより、期待とポジションの整理が一気に出た下げに見えます。
強いテーマほど、みんなが持っている。
みんなが持っているテーマほど、少し不安になった時に売りが重なる。
半導体株はまさにそこにいたんだと思います。
TOPIXが崩れなかったことは、少しだけ救い
金曜の日経平均は大きく下がりました。
でも、TOPIXまで同じ勢いで崩れたわけではありません。
これは半導体から資金が抜けた一方で、金融、防衛、内需、薬品には買いが残ったということです。
なので、今の相場を「資金が離れた」とだけ言うのは少し違う。
正しくは、AI・半導体に寄りすぎていた資金が、ほかの場所へ移動し始めた感じ。
ただし、これをすぐ健全な循環と呼ぶのも早いです。
半導体から抜けた資金が、別の成長テーマへ本気で入っているのか。
それとも、とりあえず値動きの軽い場所に避難しているだけなのか。
そこは来週の値動きで見えてくるはずです。
来週は「戻るか」より「資金が残るか」
来週見るべきなのは、日経平均が何円戻るかではないと思います。
見るならこの3つです。
- 半導体株が下げ止まったあと、数日続けて買われるか
- 銀行・防衛・内需に入った資金が残るか
- 原油と長期金利が再び上に走らないか
半導体がすぐ反発すれば、金曜の下げは期待値の整理で終わるかもしれない。
でも、反発しても続かず、資金が銀行や防衛だけへ残るなら、AI相場は少し違うフェーズに入ったと考えた方がよさそうです。
半導体が終わったわけではない。
でも「AIなら何でも上がる」も、ずっと続く話ではない。
先週の相場は、そこをかなりはっきり見せてくれました。
※本記事は市場動向に関する個人的な考察であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
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