キオクシアはまだ終わった銘柄なのか
キオクシアの株価は、かなり荒れています。
6月には一時112,700円まで買われました。
そこから大きく下げ、直近では値動きの激しい銘柄になっています。
普通に見ると、かなり怖いです。
「もう高値は終わったのでは?」「好決算でも売られるなら、上値は重いのでは?」「メモリー株は市況株だから、今から触るのは危ないのでは?」
そう考えるのも自然だと思います。
決算や直近の材料を見ると、会社そのものが急に悪くなったわけではありません。
むしろ、AIサーバー向けSSD需要、NAND価格上昇、強い第2四半期見通し、財務改善、自社株買い、株式分割と、材料だけならかなり強いです。
Reutersによると、キオクシアは2026年7〜9月期に1.89兆円の営業利益を見込んでいます。AI投資によるメモリーチップ需要の拡大も背景として報じられており、あわせて最大8,000億円の自社株買いと株式分割も発表されています。
なぜ株価はここまで荒れるのか。
私は、キオクシアが単なる好決算銘柄ではなく、AIメモリー相場そのものを背負った銘柄になっているからだと思っています。
今回は、キオクシアの決算をもう一度細かくなぞるだけではなく、今後の株価がどこまで戻る可能性があるのかを考えてみます。
5万円なのか。
7万5,000円なのか。
10万円なのか。
それとも、もう一度高値を超える可能性まであるのか。
かなり主観も入れながら、AIメモリー相場、NAND価格、自社株買い、株式分割、世界の半導体事情から整理していきます。
分割前10万円は普通にあり得ると思う
先に結論を書きます。
私は、キオクシアの分割前10万円は普通にあり得る水準だと思っています。
もちろん簡単ではありません。
現在株価を仮に46,500円として見るなら、10万円は約2.15倍です。
普通の大型株なら、かなり遠い水準です。
しかしキオクシアは普通の安定株ではありません。
AIメモリー相場、NAND価格、需給、自社株買い、株式分割、ショートカバー、個人投資家の参加が重なって動く銘柄です。
そして何より、10万円台はまったく未知の価格帯ではありません。
Yahoo!ファイナンスの時系列データでは、キオクシアは2026年6月に112,700円を付けています。つまり、市場は一度キオクシアに対して「10万円台でも買う」という評価をつけたことがあります。
そこから株価は大きく下がりました。
会社の成長ストーリーが完全に崩れたわけではないと思っています
AIサーバー向けSSD需要、NAND価格上昇、第2四半期の強い見通し、財務改善、自社株買い、株式分割。
材料はまだかなり多いです。
だから私は、分割前10万円は夢物語ではないと思っています。
ここで大事なのは、10万円が理論的に妥当かどうかではありません。
10万円まで買われる相場があり得るかどうかです。
この二つは分けて考えたいです。
キオクシアの上値シナリオを整理する
キオクシアの株価を見るとき、私は「いくらまで上がる」と一つの数字で決めるより、シナリオごとに分けて見た方がいいと思っています。
同じ好決算でも、ただの短期反発なのか、AIメモリー銘柄として再評価されるのかで、見える株価水準は変わります。
| シナリオ | 分割前株価 | 3分割後換算 | 必要な材料 | 見方 |
|---|---|---|---|---|
| 短期反発 | 50,000〜60,000円 | 約16,700〜20,000円 | 自社株買い、分割期待、売られすぎ修正 | まず戻しても不思議ではない水準 |
| 決算再評価 | 60,000〜80,000円 | 約20,000〜26,700円 | Q2見通し、NAND価格高止まり、強い利益率 | 業績面から見ても現実的な戻り |
| AIメモリー再評価 | 80,000〜100,000円 | 約26,700〜33,300円 | AIサーバー需要、SSD需要、半導体地合い回復 | AIインフラ銘柄として買い直される水準 |
| 高値再挑戦 | 100,000〜112,700円 | 約33,300〜37,600円 | 自社株買い、分割、SOX回復、NVIDIA決算、ショートカバー | 6月高値を意識する上振れシナリオ |
| 過熱再燃 | 120,000円超 | 約40,000円超 | AI相場再加速、需給の踏み上げ、個人資金流入 | 業績評価というよりテーマ・需給相場 |
私の主観では、60,000〜80,000円はかなり現実的な戻りだと思っています。
ここまでは、強い第2四半期見通し、自社株買い、株式分割、NAND価格の上昇を考えれば、そこまで無理な水準ではありません。
一方で、80,000〜100,000円は、もう一段テーマ性が必要です。
キオクシアが単なるNAND市況株ではなく、AIデータセンターを支えるSSD・ストレージ銘柄として再評価されるなら、この水準も見えてくると思っています。
そして分割前10万円。
これは「妥当価格」というより、需給とテーマが噛み合ったときに十分あり得る上振れシナリオだと見ています。
なぜ今回のキオクシアはただの好決算ではないのか
今回のキオクシアの強さは、会社単体の努力だけで見るより、世界のメモリー市況とAI投資の流れで見た方が分かりやすいです。
AIサーバーが増えれば、GPUだけでなく、メモリーやSSDも必要になります。
AIモデルを学習する。
推論で使う。
企業データを読み込む。
検索する。
ログを保存する。
過去の計算結果を保持する。
こうした処理が増えるほど、ストレージ側にも負荷がかかりますよね。
キオクシア自身もInvestor Dayで、AI推論の本格普及に向けて、フラッシュメモリとAI推論向けSSDでAIインフラを支える成長戦略を示しています。さらに、複数年の長期売買契約によって売上の見通しや利益の質を高める方針も説明しています。
ここが、以前のメモリー市況株との違いです。
もちろん、完全に市況から逃げられるわけではありません。
NANDは今でも市況商品の性格を持っています。
価格が上がれば利益率は跳ねます。価格が下がれば、利益は一気にしぼむ可能性があります。
ただ、AIデータセンター向けの需要と長期契約が増えるなら、昔よりは売上の見通しが立ちやすくなる可能性があります。
ここを市場がどう評価するか。
これが、今後のキオクシア株価を見るうえでかなり大事だと思っています。
NAND価格上昇はキオクシアだけの話ではない
今回のキオクシア決算で大きいのは、販売単価の上昇です。
出荷量だけでなく、NAND価格そのものが上がったことで、利益率が大きく押し上げられています。
これは、キオクシアだけの特殊要因ではありません。
世界的に、AIサーバー需要によってNANDやSSDへの需要が強まっています。
Reutersも、AI利用が大量データの学習から推論へ広がるなか、高容量NANDメモリー需要が伸びていると報じています。
一部報道では、AIブームを背景にキオクシアのNAND供給が2026年分は売り切れ、2027年まで逼迫が続く可能性があるとも伝えられています。これは公式決算数値とは別の報道ベースですが、少なくともAI需要によるNAND需給の逼迫が市場テーマになっていることは分かります。
NAND価格が上がる局面では、メモリーメーカーの利益率はかなり跳ねます。
固定費の大きいビジネスなので、販売価格が上がると利益へのインパクトが大きい。
今回のキオクシアの営業利益率が異常に高く見えるのも、この価格上昇の影響が大きいと思っています。
ここで見るべきなのは「今回の利益率がすごい」だけではありません。
NAND価格の上昇がどこまで続くのかです。
もしNAND価格が高止まりし、AIサーバー向けSSD需要も続くなら、キオクシアの利益は高水準を維持しやすい。
逆に、NAND価格がピークアウトすると、利益率は一気に落ちる可能性があります。
だからキオクシアを見る時は、決算だけでなく、NAND価格、SSD需要、AIデータセンター投資、競合の増産計画を一緒に見る必要があります。
自社株買いはかなり大きい
今回のキオクシアで大きい材料の一つが、自社株買いです。
最大8,000億円。
これは普通に大きいです。
自社株買いには、いくつかの意味があります。
| 見るポイント | 意味 |
|---|---|
| 株式数の減少 | 1株当たり利益が増えやすくなる |
| 需給の下支え | 会社が買い手として入る可能性がある |
| 経営陣の自信 | 財務に余裕があるから還元できる |
| 市場へのメッセージ | 株主還元を意識していると伝わる |
特に短期的には、需給への影響が大きいです。
売り方から見ると、会社が大きく買ってくる可能性がある期間は、強く売り込みにくくなります。
自社株買いがあるから必ず上がるわけではありません。
市場全体が崩れたり、NAND価格への警戒が強まったりすれば、自社株買いがあっても下がる時は下がります。
現在のキオクシアのように株価が大きく下げた後で、最大8,000億円の自社株買いが出ているなら、これはかなり強い需給材料です。
特に分割前10万円を考えるなら、業績だけではなく、この自社株買いの存在はかなり重要です。
10万円まで戻るには、投資家が「業績が良い」と思うだけでは足りません。
買い戻し、需給改善、テーマ人気、分割期待。
こういうものが重なる必要があります。
その意味で、自社株買いは上値シナリオの中心に置いていい材料だと思っています。
株式分割は企業価値を増やさない。でも需給には効く
キオクシアは、1株を3株にする株式分割も発表しています。
ここはかなり大事です。
株式分割そのもので、会社の価値が増えるわけではありません。
1株が3株になるだけです。
株価も理論上は3分の1になります。
たとえば、分割前46,500円なら、分割後は単純計算で15,500円。
分割前100,000円なら、分割後は約33,333円。
分割前112,700円なら、分割後は約37,567円です。
| 分割前株価 | 3分割後の単純換算 | 100株購入に必要な金額 |
|---|---|---|
| 46,500円 | 約15,500円 | 約155万円 |
| 60,000円 | 約20,000円 | 約200万円 |
| 80,000円 | 約26,667円 | 約267万円 |
| 100,000円 | 約33,333円 | 約333万円 |
| 112,700円 | 約37,567円 | 約376万円 |
| 120,000円 | 約40,000円 | 約400万円 |
分割前46,500円なら、100株買うには約465万円が必要です。かなり重いです。
でも3分割後なら、単純計算で約155万円になります。
まだ安いとは言えませんが、分割前よりはかなり参加しやすくなります。
ここがポイントです。
株式分割は、企業価値を直接増やす材料ではありません。
でも、買える人を増やす材料にはなります。
特にキオクシアのように、AI・半導体・好決算・自社株買い・急落後の反発という材料が重なっている銘柄では、分割後に個人投資家の参加が増える可能性があります。
株式分割を単なる見た目の変更とは見ていません。
分割そのものが株価を2倍にするわけではない。
でも、自社株買いと好決算とAIメモリー相場が重なったときに、上値を押し上げる需給材料にはなり得ると思っています。
自社株買いと株式分割を分けて考える
自社株買いと株式分割は、どちらも株価材料になりやすいです。
効き方は違います。
| 材料 | 直接的な効果 | 株価への効き方 |
|---|---|---|
| 自社株買い | 会社が市場から自社株を買う | 需給の下支え、EPS向上期待、売り方の警戒 |
| 株式分割 | 1株を複数株に分ける | 投資単位低下、個人参加増加、話題性 |
| 好決算 | 利益・CF・成長性の確認 | 企業価値の再評価 |
| AIメモリー相場 | NAND・SSD需要の拡大期待 | テーマ性による買い |
| ショートカバー | 売り方の買い戻し | 短期的な急騰要因 |
自社株買いは、会社自身が買い手になる可能性がある点で、かなり直接的な需給材料です。
一方で、株式分割は企業価値そのものを変えません。
でも、投資単位が下がることで、参加できる投資家が増える可能性があります。
自社株買いは「会社の買い」
株式分割は「個人投資家が入りやすくなる入口」
という見方ができます。
この2つが同時に出ているのはかなり大きいです。
好決算だけなら、材料出尽くしで売られることもあります。
でもそこに自社株買いと株式分割が重なると、短期的な需給はかなり変わります。
だから10万円シナリオを見るなら、業績だけではなく、この2つの需給材料を必ず入れて考えたいです。
10万円まで戻るために必要な条件
キオクシアが分割前10万円まで戻るには、決算が良いだけでは少し足りないと思っています。
もちろん業績は大前提です。
ただ、10万円という水準は、業績だけでじわじわ評価されるというより、業績・需給・テーマ性が重なることで見えてくる水準です。
| 条件 | 内容 | 株価への影響 |
|---|---|---|
| Q2決算が強い | 会社見通しを達成、できれば市場期待を上回る | 業績再評価につながる |
| NAND価格が高止まり | 販売単価の上昇が一過性ではないと見られる | 高利益率の持続期待が出る |
| AIサーバー需要が続く | データセンター向けSSD需要が強い | AIインフラ銘柄として見直される |
| NVIDIA決算が強い | AI半導体全体の地合いが改善 | 半導体株全体へ資金が戻りやすい |
| SOX指数が再加速 | 半導体株のリスクオンが続く | テーマ買いが入りやすい |
| 自社株買いが進む | 会社が買い手として入る | 売り込みにくくなり、需給が支えられる |
| 株式分割期待が残る | 投資単位が下がり、個人投資家が入りやすくなる | 分割前後の思惑買いにつながる |
| ショートカバー | 売り方の買い戻しが入る | 急な上昇を生みやすい |
| 円安方向 | 円換算利益の押し上げ期待 | 業績見通しの上振れ要因になる |
この中で、特に重要なのは、
- Q2決算が強いこと
- NAND価格が高止まりすること
- AI半導体相場の地合いが戻ること
- 自社株買いが需給面で効くこと
- 分割後の参加者増加が意識されること
この5つだと思っています。
全部が完璧にそろう必要はありません。
ただ、10万円を目指すなら、少なくとも「業績が良い」だけではなく、「この先も強い」と市場がもう一度思える材料が必要です。
キオクシアは、すでに一度112,700円まで買われた銘柄です。
だから10万円は、まったく未知の高値ではありません。
一度市場が評価した水準へ戻るシナリオとして見るなら、分割前10万円は十分に現実的だと思っています。
120,000円超えは別物
一方で、120,000円超えは少し別です。
ここから先は、かなり強い需給相場が必要だと思っています。
112,700円を超えて、さらに120,000円を超える。
これは、単に「決算が良かった」だけでは足りません。
必要なのは、AIメモリー相場そのものの再加速です。
たとえば、
- NVIDIA決算が市場期待を大きく上回る
- AIデータセンター投資がさらに拡大する
- NAND価格の上昇が続く
- 競合増産への警戒が弱まる
- SOX指数が高値を更新する
- キオクシアのQ2決算がかなり強い
- 自社株買いの実行が確認される
- 分割後に個人投資家の買いが入る
- 売り方の買い戻しが重なる
このくらい揃う必要があります。
つまり、120,000円超えは「業績評価」だけではなく、「テーマ相場」と「需給相場」がかなり強く重なった時の水準です。
あり得ないとは思いません。
でも、10万円よりは一段難しい。
私の感覚では10万円は現実的な上振れシナリオ。 12万円超えは過熱再燃シナリオ。このくらいの位置づけです。
下を見るならどこか
上値だけを見ると、都合のいい話になってしまいます。
なので、下の水準も一応考えておきます。
キオクシアが再び大きく売られる場合、理由はおそらく会社そのものというより、期待の巻き戻しです。
- NAND価格がピークアウトする
- AIサーバー需要に減速感が出る
- Q2決算が市場期待に届かない
- 自社株買いが思ったほど効かない
- 分割後に材料出尽くしになる
- SOX指数が崩れる
- 円高が進む
- 半導体株全体から資金が抜ける
こういう展開です。
この場合、株価は再び大きく下に振れる可能性があります。
特にキオクシアは、期待でかなり動く銘柄です。
業績が黒字でも、利益が高水準でも「思ったほどではない」で売られる可能性があります。
だから、上値シナリオを見る時も、下値リスクは一緒に見ておきたいです。
ただ、今回の記事ではあえて「危ないからやめよう」ではなく、どこまで上がる可能性があるかに踏み込んでいます。
私の主観では、下を見ながらも、上値としては分割前10万円を十分に見ていい銘柄だと思っています。
上がる理由と下がる理由を同時に見る
キオクシアは、上がる理由がかなり多い銘柄です。
でも同時に、下がる理由もはっきりしています。
| 上がる理由 | 下がる理由 |
|---|---|
| AIサーバー向けSSD需要が強い | AI投資が減速する |
| NAND価格が上昇している | NAND価格がピークアウトする |
| Q2見通しがかなり強い | 市場期待に届かない |
| 最大8,000億円の自社株買い | 自社株買いが思ったほど効かない |
| 1株3分割で投資単位が下がる | 分割後に材料出尽くしになる |
| 6月に112,700円を付けた記憶 | 高値掴み組の戻り売りが出る |
| 半導体相場が再加速する可能性 | SOX指数やNASDAQが崩れる |
| 円安なら利益押し上げ | 円高なら利益下押し |
この表を見ると、キオクシアはかなり分かりやすい銘柄でもあります。
上がる時は、AIサーバー需要、NAND価格、自社株買い、株式分割、半導体全体の地合いが重なります。
そこに円安や、少なくとも急な円高が進まない為替環境が加わると、円換算利益の見通しも崩れにくくなります。
反対に下がる時は、期待が剥がれます。
NAND価格がピークアウトする。
AI投資に減速感が出る。
自社株買いや株式分割の材料が出尽くしになる。
SOX指数やNASDAQが崩れる。
そこへ円高が重なる。
こうなると利益見通しと需給の両方から売られやすくなります。
キオクシアの本質は「安定して少しずつ上がる株」ではなく、期待・需給・市況・為替で大きく動く株です。
見るべきなのは今の利益だけではありません。
次の利益がどれくらい続くのか。
NAND価格がどこまで保つのか。
AIサーバー需要が本当に継続するのか。
自社株買いがどれくらい株価を支えるのか。
分割後に個人投資家がどれくらい入ってくるのか。
そして、ドル円が会社の想定から大きく円高方向へずれていないか。
ここを見ながら、今どのシナリオに近いのかを判断したいです。
キオクシアは安定株ではなく、AIメモリー相場の温度計
私はキオクシアを、安定してゆっくり持つ銘柄というより、AIメモリー相場の温度を見る銘柄として見ています。
強い時は一気に上がる。
でも、期待が少しでも崩れると一気に売られる。
この値動きはかなり激しいです。
ただ、それだけ市場がキオクシアに注目しているとも言えます。
AI相場では、NVIDIAやHBM関連が主役になりやすいです。
でも、AIデータセンターにはSSDも必要です。
GPUだけでは、AIインフラは完成しません。
データを保存し、読み出し、推論を支え、企業データを扱う。
この部分でNANDとSSDが必要になる。
キオクシアが本当にAIインフラ銘柄として見直されるなら、株価の見方も変わってきます。
単なる市況株として見るなら、利益率75%はピークに見える。
でも、AIインフラの中核部品として見るなら、以前より高い評価を受ける可能性もある。
この見方の差が、株価の大きな上下につながっているのだと思います。
私ならどう見るか
私なら、キオクシアをコア資産にはしません。
オルカンやS&P500のように、淡々と積み上げる土台とは別物です。
でも、サテライトとして見るならかなり面白い銘柄だと思っています。
理由は、材料が多いからです。
- AIサーバー向けSSD需要
- NAND価格上昇
- Q2の強い見通し
- ネットキャッシュ化
- 自社株買い
- 株式分割
- 6月高値112,700円の記憶
- AI半導体相場との連動
- 分割後の個人投資家参加
これだけ材料がある銘柄は、良くも悪くも大きく動きます。
短期なら、需給と材料の銘柄。
中期なら、AIメモリー相場への賭け。
長期なら、メモリー市況のサイクルを受け入れる投資。
私はそんなふうに見ています。
なので、買うかどうかより先に、自分がどの時間軸で見るのかを決めたいです。
数日から数週間で見るのか。
次の決算まで見るのか。
AIインフラの数年テーマとして見るのか。
それとも、ただ話題だから触りたいだけなのか。
ここを決めないまま入ると、値動きにかなり振り回されると思います。
私の主観で見る現実的な株価ライン
ここはかなり主観です。
でも、あえて書くならこう見ています。
| 株価ライン | 私の見方 |
|---|---|
| 50,000円 | まず回復してほしい最低ライン |
| 60,000円 | 自社株買いと分割期待が効けば普通に見える |
| 75,000円 | Q2見通しとNAND価格を評価するなら十分あり得る |
| 90,000円 | AIメモリー再評価が入った時の強めの水準 |
| 100,000円 | 分割前高値圏への本格回帰 |
| 112,700円 | 6月高値再挑戦 |
| 120,000円超 | 需給とテーマがかなり強い過熱シナリオ |
私の感覚では、60,000〜75,000円はそこまで無茶な水準ではありません。
むしろ、今の材料を考えるなら、ここまでは戻しても不思議ではないと思っています。
90,000円台は、AIメモリー相場としての再評価が必要です。
為替の落ち着きも加わると見方は変わります。
キオクシアにとって、為替は無視できません。
基本的には円安が円換算利益の押し上げ要因になり、円高は利益見通しの下押し要因になりやすいです。
直近の円高局面では、日本当局による為替介入観測だけでなく、米国側の金利見通しやFRBの政策判断も絡んでいます。
Reutersは、7月30日の円急伸について、日本当局による介入観測が広がったことに加え、FRBが金利を据え置いた後にドルが弱含んだことも背景として報じています。
さらに、日本と米国が共同で円安対応に動くとの報道もあり、為替は日本側だけで決まる話ではなくなっています。
キオクシアの株価を見るなら、NAND価格やAI需要だけでなく、ドル円と米金利の動きもセットで見たいところです。
円安が続けば円換算利益には追い風。
反対に、米金利低下や日米協調介入観測などで急な円高が進むと、利益見通しにはマイナスに働きやすいです。
分割前10万円を狙う展開では、AIメモリー相場の強さに加えて、為替面で利益期待が崩れないことも大事になります。
まとめ――10万円は夢物語ではない。ただし妥当価格とは別
キオクシアは、かなり難しい銘柄です。
決算は強い。
AIサーバー向けSSD需要も強い。
NAND価格も追い風。
第2四半期見通しも強い。
自社株買いも大きい。
株式分割もある。
すでに一度112,700円まで買われています。
この条件を考えると、私は分割前10万円は十分あり得ると思っています。
これは「10万円が理論的に妥当」という意味ではありません。
10万円まで買われる相場があり得るという意味です。
ここは分けたいです。
相場は、企業価値だけで動くわけではありません。
好決算。
自社株買い。
株式分割。
AI相場。
NAND価格。
個人投資家の参加。
ショートカバー。
過去高値の記憶。
こういうものが重なると、株価は理論よりかなり上にも下にも動きます。
| 水準 | 見方 |
|---|---|
| 60,000〜80,000円 | かなり現実的な戻り |
| 80,000〜100,000円 | AIメモリー再評価が入れば十分あり得る |
| 100,000〜112,700円 | 高値再挑戦シナリオ |
| 120,000円超 | かなり強い需給相場 |
キオクシアは、終わった銘柄ではないと思っています。
むしろ、AIメモリー相場の見方次第では、まだかなり上値がある銘柄です。
ただし、安定株ではありません。
強い時は一気に上がる。
でも、期待が崩れた時も一気に売られる。
だからこそ、決算だけでなく、NAND価格、AIサーバー需要、NVIDIA決算、SOX指数、自社株買いの進み方、分割後の需給まで見ていきたいです。
分割前10万円。
私は、夢物語ではないと思っています。
でもそれは、安心して持てるという意味ではなく、
需給とテーマが噛み合えば、そこまで買われる可能性があるという意味です。
※本記事は特定銘柄の購入推奨ではありません。紹介したデータや戦略は一つの強力な指標として参考にし、投資判断はご自身のリスク許容度に応じて行ってください。
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キオクシアは、決算だけでなく、AI需要、NAND価格、需給、為替まで見たい銘柄です。
好決算でも株価が下がる理由についてはこちら。
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