投資を始めると、いろいろな「正解」が目に入ります。
S&P500を買えばいい。
オルカンだけでいい。
高配当株こそ最強。
個別株で大きく増やすべき。
レバレッジを使わないと資産形成は遅い。
現金を持ちすぎるのは機会損失。
どれも一理あります。
しかし、すべての人に当てはまる絶対的な正解ではありません。
ニーチェは、既存の価値観を疑い、自分自身の価値を創ることを重視した思想家です。これを資産形成に置き換えるなら、他人が作った投資の正解をそのまま信じるのではなく、自分の人生に合う投資ルールを作ることが重要になります。
この記事では、ニーチェの考え方をヒントに、資産形成における「超人ルール」を考えていきます。
※本記事はニーチェ思想を投資に応用した一般的な考え方であり、特定の金融商品を推奨するものではありません。
投資の世界には「偶像」が多い
ニーチェ的に考えるなら、まず疑うべきは投資の世界にある偶像です。
偶像とは、必要以上に絶対視されている価値観です。
例えば、次のようなものです。
- S&P500なら間違いない
- オルカンなら何も考えなくていい
- 高配当株なら安心
- FIREこそ人生の勝利
- 入金力が低い人は投資しても意味がない
- 暴落時に買えない人は弱い
- 個別株で勝てない人は勉強不足
こうした言葉は、半分正しく、半分危険です。
なぜなら、投資の正解はその人の収入、年齢、家族構成、リスク許容度、性格、目的によって変わるからです。
私自身、投資の情報を見ていると、「この方法を選ばないと遅れているのではないか」と感じることがあります。特にSNSでは、強い言葉の方が目立ちます。
しかし、目立つ投資法が、自分に合う投資法とは限りません。
| 投資の偶像 | 危ない点 |
|---|---|
| S&P500なら間違いない | 自分のリスク許容度を無視しやすい |
| オルカンだけでいい | 目的や現金比率を考えなくなる |
| 高配当株なら安心 | 減配や業績悪化を軽視しやすい |
| FIREこそ成功 | 生活や家族状況を無視しやすい |
| レバレッジで早く増やすべき | 退場リスクが上がる |
「神は死んだ」と投資の正解
ニーチェの有名な言葉に「神は死んだ」があります。
これは単に宗教を否定する言葉ではなく、絶対的な価値基準が揺らいだ時代を表す言葉として読まれます。
投資でも同じです。
昔なら、貯金、退職金、年金、持ち家が人生設計の中心だったかもしれません。しかし、今はそれだけでは不安を感じる人が増えています。
一方で、投資の世界にも新しい「神」が生まれます。
- インデックスこそ絶対
- 米国株こそ絶対
- 高配当こそ絶対
- 仮想通貨こそ未来
- AI銘柄こそ次の勝者
古い価値観を疑ったあとに、新しい流行をそのまま信じてしまう。これでは、ただ信じる対象が変わっただけです。
本当に大切なのは、何か一つを絶対視することではありません。
自分の目的に照らして、何を採用し、何を捨てるかを決めることです。
群れの投資から抜け出す
ニーチェは群れの価値観に流されることを批判しました。
投資でも、群れの動きは強力です。
みんなが買っているから買う。
SNSで話題だから買う。
ランキング上位だから買う。
有名投資家が言っているから買う。
これらは、考えているようで、実は判断を外部に預けています。
もちろん、他人の意見を参考にすることは悪くありません。問題は、自分の目的やリスク許容度を確認せずに、他人の結論だけを借りることです。
群れの投資では、上がっているときは安心できます。しかし、下がった瞬間に不安になります。なぜなら、自分で納得して買っていないからです。
自分の言葉で説明できない投資は、下落時に握り続けることが難しくなります。
ルサンチマン投資に注意する
ニーチェの思想で重要な言葉に、ルサンチマンがあります。
これは、簡単に言えば、他人への嫉妬や恨みから価値判断を作ってしまう状態です。
投資にもルサンチマンはあります。
- あの人だけ儲かっていて悔しい
- 自分も早く取り返したい
- インデックス投資は地味だから嫌だ
- 高配当株を持っている人が羨ましい
- 仮想通貨で成功した人を見て焦る
- 暴落で買えなかった自分が情けない
この感情から投資をすると、判断が荒くなります。
本来なら買うべきではない高リスク商品を買ったり、必要以上に集中投資したり、短期で結果を求めすぎたりします。
私も、他人の成功を見ると焦る気持ちは分かります。自分だけが遅れているように感じる瞬間があります。
しかし、嫉妬から作った投資ルールは長続きしません。
資産形成は、他人への復讐ではなく、自分の生活を良くするためのものです。
超人ルールとは何か
ニーチェの「超人」は、単に強い人や成功者という意味ではありません。
既存の価値観に従うだけでなく、自分で価値を創る存在として考えられます。
資産形成に置き換えるなら、超人ルールとは、他人の正解をそのまま真似るのではなく、自分の目的から逆算した投資ルールです。
例えば、次のようなものです。
私の超人ルール
・投資の目的は老後資金と生活の選択肢を増やすこと
・生活防衛資金は投資に回さない
・毎月の積立額は手取りの範囲内で固定する
・資産形成の土台は広いインデックスにする
・個別株やテーマ型は資産全体の一部に限定する
・レバレッジ商品は長期の中心にしない
・SNSの情報だけで売買しない
・暴落時も生活が崩れる金額では投資しない
このルールは、人によって変わります。
独身か、家族がいるか。
安定収入か、不安定収入か。
20代か、50代か。
大きな値下がりに耐えられるか。
住宅ローンがあるか。
将来使う予定のお金か。
条件が違えば、投資ルールも違って当然です。
既存の投資価値を破壊するとは、無謀になることではない
ここは誤解しない方がいいです。
「既存の投資価値を破壊する」とは、常識をすべて捨てて危険な投資をすることではありません。
むしろ逆です。
他人の言葉をそのまま信じず、自分に必要なルールだけを残すことです。
- オルカンが合う人もいる
- S&P500が合う人もいる
- 高配当が合う人もいる
- 個別株が合う人もいる
- 現金比率を高めるべき人もいる
問題は、何を選ぶかではありません。
なぜそれを選ぶのかを、自分で説明できるかです。
説明できない投資は、相場が荒れたときに他人の意見へ振り回されます。
永劫回帰で考える投資行動
ニーチェには、永劫回帰という考え方もあります。
これを投資に応用するなら、次の問いになります。
この投資行動を、これから何度も繰り返してもいいと思えるか。
短期の勢いで買った銘柄。
焦って入れたレバレッジ。
SNSを見て衝動的に買ったテーマ株。
生活費まで削って増やした積立額。
それを毎月、毎年、何度も繰り返せるでしょうか。
もし繰り返せないなら、その投資行動は自分のルールに合っていない可能性があります。
資産形成では、一度だけ正しい判断をするより、無理なく繰り返せる判断を作る方が大切です。
自分だけの超人ルールを作る手順
最後に、自分だけの投資ルールを作る手順を整理します。
1.目的を決める
まず、何のために投資するのかを決めます。
老後資金なのか、教育費なのか、住宅購入なのか、早期退職なのか、生活の安心感なのか。
目的が違えば、使う商品もリスクも変わります。
2.捨てる投資を決める
投資では、何を買うかより、何をやらないかが重要です。
- 信用取引はしない
- レバレッジは使わない
- 個別株は資産の20%まで
- よく分からない商品は買わない
- SNSで見た当日に買わない
やらないことを決めると、投資はかなり楽になります。
3.資産の土台を決める
土台には、長く持てるものを置きます。
多くの人にとっては、広く分散されたインデックスが候補になります。ただし、必ずそれが正解というわけではありません。
重要なのは、自分が下落時にも持ち続けられるかです。
4.攻める部分を決める
テーマ型、個別株、レバレッジ商品などを使う場合は、資産全体の一部に限定します。
攻めの投資は楽しいですが、大きくすると生活全体が振り回されます。
5.見直す条件を決める
相場が上がった、下がっただけでルールを変えると、投資方針がぶれます。
見直すのは、収入、支出、家族構成、目的、リスク許容度が変わったときです。
まとめ
既存の投資価値を破壊するというのは、流行を全部否定することではありません。常識を捨てて、危ない投資に突っ込むことでもありません。
自分に合わない価値観を、ちゃんと手放すことです。
そしてニーチェと資産形成をつなげるなら、重要なのは「他人の正解を疑うこと」です。
誰かにとっての正解が、自分にとっても正解とは限りません。収入も違う。家族構成も違う。年齢も違う。リスクを取れる金額も違う。投資に使える時間も違う。違う条件で生きているのに、同じ答えになる方が不自然です。
だからこそ、自分だけのルールが必要になります。
何を買うかより、なぜ買うのか。
どれくらい増やすかより、どこまでなら続けられるのか。
何で勝つかより、何をやらないのか。
資産形成は、他人の勝ち方をコピーする競技ではありません。
自分の人生を少しずつ自由にするための、自分で選ぶ行動です。
生活に合う形を作る。派手ではなくても、地味でも、長く続けられる形を残す。
私はその方が、結果的に強い投資になると思っています。
免責事項
本記事は資産形成に関する一般的な考え方を紹介するものであり、特定の金融商品や投資行動を推奨するものではありません。投資には元本割れを含むリスクがあります。最終的な投資判断は、ご自身の責任で行ってください。
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