【週間相場まとめ】半導体は戻った。でも「良い決算だけで上がる相場」ではなくなった

ニュースまとめ

7月6日〜10日|AI・DRAM・金利・中東をどう見るか

今週の日経平均は、金曜の上昇だけを見ると半導体が戻ってきた週に見えなくもないですね?

実際、木曜と金曜はAI・半導体関連に買いが入り、東京エレクトロンやアドバンテストなども切り返した。週末の米国市場でも半導体株に買いが戻り、SKハイニックスの米国預託株式(ADS)のナスダック上場も強いスタートになりましたし。

でも、週全体で見ると日経平均は1,186円安。

火曜と水曜で大きく崩れ、その後に買い戻された。戻したことは大事だけど、前半の下げを全部取り返したわけではないんですよね。

相場が完全に弱くなった週ではない。でも、AIや半導体なら良いニュースだけで上がれる相場でもなくなった。そんな一週間だったと思いました。

今週の主要指数

日付日経平均前日比
7月6日69,737.69円-0.01%
7月7日68,256.96円-2.12%
7月8日66,819.05円-2.11%
7月9日67,743.85円+1.38%
7月10日68,557.73円+1.20%

日経平均は週間で1.7%安。TOPIXも週間では0.7%安となった。

一方で米国株は、S&P500が直近5週間で4週目の上昇。10日の終値はS&P500が7,575.39、ナスダックが26,281.61、ダウが52,367.01だった。

米国のAI・半導体株が金曜に持ち直したことが、日本株の木金の買い戻しにもつながった。

今週の流れ

韓国半導体株が下落

日本のAI・半導体株も急落

中東リスクで原油・金利も気になる

米国半導体株の反発で買い戻し

ただし「もう安心」と言えるほど金利も地政学も落ち着いていない

週前半は、思ったよりしっかり崩れた

7日は日経平均が1,480円安、8日も1,437円安。

二日で約2,900円下げた。数字だけ見るとかなり大きいですよね。

週初はTOPIXが高値を更新する場面もあって、バリュー株や金融株には資金が残っていた。ただ、AI・半導体株が重くなり、韓国市場も崩れたことで、日本株全体が引っ張られる形になりました。

今の日本株は、半導体株の影響が本当に大きい。

日経平均が強い時も弱い時も、東京エレクトロンやアドバンテスト、ソフトバンクGあたりの動きで空気が変わる。指数が上がっていても、半導体が弱いと「なんか強い気がしない」と感じるのは、そのせいだと思う。

今週は半導体以外まで全部売られたわけではなかった。

金融株や一部のバリュー株には資金が残り、木金は半導体も買い戻された。資金が市場から消えたというより、半導体とバリューの間をかなり忙しく動いていた週でしたね。
それで右往左往した人も少なくはないと思います。

今週の下げは、ニュースだけでは説明しきれない

今回の下げを「中東が不安だったから」「半導体が売られたから」だけで終わらせると、少し足りない気がします。

7月上旬はETFの分配金捻出売りが意識されやすい時期で、今週は8日と10日にその需給が重なった。さらにSQもあり、需給面での警戒材料があった。

もちろん、ETFの売りが今週の下落の主因だったとは断定できない。過去データでも、ETF分配金売りの時期に日本株が必ず下がるという裏付けはない。

ただ、半導体株の調整、中東のニュース、金利への警戒に加えて、売りを意識しやすい需給環境だった。

今週は下げる理由が一つではなく、いくつか重なっていたと見る方が自然だと思いませんか?

半導体は終わったのか。そこまで悲観する内容でもない

半導体株は、週の途中でかなり売られた。

サムスン電子の4-6月期暫定決算は営業利益が前年同期比19倍という強さだった。でも、株価は売られた。SKハイニックスも同じように売られた。

ここだけ見ると「決算が良くても半導体はダメなのか」と思ってしまいますよね。

でも、これは業績が悪かったからではない。

市場がすでにかなり強い数字を織り込んでいて、さらに上を見せられるかを問われた結果だと思う。サムスンは強い決算でも、DRAM価格の上昇が市場の期待ほどではないかもしれないという見方が出て売られた。

今のAI相場は「業績が良い」だけでは足りていません。

AI投資が続くのか。
メモリー価格はまだ上がるのか。
各社の設備投資は増え続けるのか。
その数字がすでに株価に織り込まれていないか。

ここまで見られているし、私も見ています。

だから半導体が難しく見える。でも逆に言えば、期待を上回り続ける会社には資金が残る相場でもあるのではないかなと思います。

DRAMは、HBMだけの話ではなくなってきた

個人的に気になっているのは、SKハイニックスとDRAM周辺。

AI向けメモリーと言うとHBMが目立つけど、いまは通常DRAMやNANDにも需要が広がり、メモリー価格の上昇につながっている。

AI向けサーバーの増加で、高性能メモリーだけでなく、その周辺のメモリー全体が必要になっているからです。

HBMは、DRAMを積み重ねて高速化したメモリー。AIの学習や推論では、GPUだけあっても足りなくて、データを高速に渡せるメモリーが必要になってきます。

つまりAI投資が伸びれば、GPUだけでなく、メモリーにもお金が流れる。

ここがSKハイニックスやマイクロン、サムスンを見る面白さではないのかなと思います。

ただし、DRAMは昔からかなり景気循環の強い業界でもある。需要が強い時は価格が上がり、各社が設備投資を増やす。供給が増えすぎると、今度は一気に価格が崩れていきます。

今はAI需要と供給制約が価格を支える側に見える。でも、メモリーは強いからずっと買いというより、需給が崩れるまでは強いテーマ、ぐらいの距離感で見ていようかなと思っています。

SKハイニックスを買うなら、強さと値段は分けて考えたい

韓国上場済みのSKハイニックスは10日、米国預託株式(ADS)のナスダック上場初日に13.1%高となった。

AI向けメモリー需要の強さを受けて、韓国市場の株価は過去1年で634%上昇している。業績の強さだけでなく、AI・DRAM・HBMの期待がかなり乗っている。

だから、自分もSKハイニックスやDRAM周辺を買う候補には置いています。

米国市場での上場初日の強さを見て、そのまま飛びつく感じではないのかなと思っています。

来週の米CPIとFRB議長の発言、TSMC決算を通過しても、メモリー株に資金が残るかを見たいですね。

強いテーマなのは間違いない。
でも、強いテーマほど、ちょっとした期待外れで下げが大きくなります。

SKハイニックスを見る時の3点

  • 米CPIを受けて米金利が跳ねないか
  • SOX指数とマイクロンが崩れないか
  • 米ADR上場後の熱が一巡しても買いが残るか


良い会社を買うより、良いテーマに高値で乗らないを考える方が今は大事かもしれない。

金利は、株高の横でずっと嫌な顔をしている

米国では、FOMC議事要旨が公表された。

政策金利は据え置きだったが、物価高が続く場合には追加の引き締めが必要になり得るという議論もあった。ウォラー理事も、高インフレが米国経済の大きなリスクだと発言している。

一方、ウィリアムズNY連銀総裁は、原油高が年後半まで続くとは見ていない。ただ、これは「もう利下げに向かう」という話ではない。次の会合までにデータを見て判断する、という温度感だった。

金曜の米10年債利回りは4.56%。

株は上がっているのに、金利はまだ高い。これが今の相場を少し難しくしていると思います。

金利が高いと、将来の成長を買われている高PER株は評価が重くなりやすい。一方で、銀行や保険のように金利上昇が利益に追い風になる業種には資金が入りやすい。
来週も引き続きこの辺りは確認していきたいですね

日本でも「原油高は企業コストに残っている」

国内では10年国債利回りが7日に一時2.85%まで上昇した。

財政拡張への警戒や、日銀の対応が遅れるかもしれないという見方が背景にあった。日本株では銀行にとって追い風でも、不動産や高PER株には少し嫌な材料になる。

さらに10日発表の6月企業物価は前年比7.1%上昇。石油・石炭製品は前年比22.8%高だった。

原油が少し下がったから、物価の不安も消えた。そういう話ではない。

すでに上がったコストは企業の利益率に効いてくるし、価格転嫁が進めば消費者物価にも影響する。来週の米CPIが注目されるのは、この流れが本当に落ち着き始めたのかを確認したいからだと思う。

中東は、落ち着いたのではなく、いったん原油が下がった

ブレント原油は週末に1バレル76ドル付近まで下がった。

ただし、週初の72ドルよりはまだ高い。戦時の高値である120ドル近辺からは下がったけど、ホルムズ海峡の問題が解決したわけではない。

トランプ大統領はイランとの協議継続に言及する一方で、停戦終了とも発言している。市場はひとまず原油を売ったけど、週末や夜間にニュースが出れば、また原油・金利・先物が動く状態は残っている。

ここは「中東リスク後退」と雑に片づけない方がいい。

原油が下がれば株には追い風。
でも、原油が下がっている理由が恒久的な供給回復なのか、一時的な安心感なのかで意味は変わる。

まだ後者寄りではないのかなと思います

来週は、半導体の強さを試す材料が多い

日程注目材料相場で見るところ
7月14日米CPI・ウォーシュFRB議長の議会証言金利、ドル、AI株の反応
7月15日米PPI・中国主要統計物価と世界景気
7月16日TSMC決算・米小売売上高半導体需要、次四半期見通し、米消費
毎日原油・ホルムズ海峡のニュース地政学リスクの再燃

来週はTSMC決算がかなり大きい。

焦点は顧客別の実受注そのものではなく、売上高や利益率、次四半期のガイダンス、AI需要や先端プロセスについて会社がどう見ているか。

半導体株が戻るかどうかを見るだけならSOX指数でもいい。でも、TSMCの見通しは、世界のAI投資がまだ続いているのかを考える上でかなり重要になってきますね。

来週の3シナリオ

シナリオ起きること見たい銘柄・テーマ
CPIが落ち着く金利低下、半導体に買い戻しSKハイニックス、マイクロン、東京エレクトロン
CPIが強い金利上昇、高PER株に売り銀行、保険、バリュー株
中東リスクが再燃原油高、リスク回避資源、防衛、金利の動き

一番楽観的なシナリオだけを見ておくと危ないです。

今週の木金を見ていると、半導体が少し下げたからといって完全に見放されているわけでもない。だからこそ、来週のCPIとTSMC決算を通過しても資金が残るかを確認したいと思っています。

来週の監視予定銘柄

SKハイニックス
DRAM・HBMの需給改善を受けやすい本命候補。買うなら、テーマの強さだけでなく、米金利と米ADR上場後の需給を見ながら。

マイクロン
米国側でメモリー市況を見るなら外せない。SKハイニックスを買う前に、マイクロンが売られていないかも確認したい。

東京エレクトロン・アドバンテスト
TSMC決算に反応しやすい日本の半導体株。金曜は強かったが、週前半の急落を忘れるほどではない。決算後にも買いが続くかが大事。

三菱UFJ FG
半導体が荒れた時の比較対象。国内金利が高いままで、銀行が崩れないなら、日本株の中に資金が残っているかを確認しやすい。

まとめ

好決算、AI需要、DRAM価格上昇という強い材料があっても、それだけで株価が一直線に上がる相場でもなくなった。

サムスンが強い決算を出して売られたのは、今の市場が良いか悪いじゃなく、「期待よりどれだけ上か」を見ているからだと思う。

SKハイニックスやDRAMは、テーマとしてかなり面白い。

でも、強いテーマだから買うというより、金利・SOX・TSMC決算を通過しても資金が残るなら買う。その順番の方が、今の相場には合っていそう。

AI・半導体・DRAMの強さが、金利と中東リスクを抱えたままでも買われ続けるほど強いのか。それを確認する週になりそう。

※本記事は市場の動きに関する個人的な整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません

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